harunoame

きんきと映画とアニメと本の話

友だちでさえない初恋の人

大好きだった京アニの『響け!ユーフォニアム』の劇場版です。
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 アニメでは、久美子と麗奈の関係が好きでした。
 強い意志だけがひとり浮き足立っていて、久美子に冷静な言葉を掛けられて初めて周りに人がいることに気が付く麗奈と、麗奈のレーザービームのような一直線の強さに影響されて熱を持ち始める久美子の関係が大好きでした。特に1期の久美子が強い感情に振り回されながら麗奈と向き合うの、とてもトキメキます。
 主人公ふたりの関係は強くて前向きで甘えを許さない、緊張感のあるカップリングでした。互いに向上し合うことしか認めていない感じ。互いの挫折も弱さも知っていて、でも自力で這い上がってくることを信じている。きりきりに縒り合わせた鋼の糸みたいな、厳しくて堅い関係。スポ根的な熱さが、おんなのこ同士のロマンチックな美しさと織り交ざって、さいこうにドラマチックでした。

 他にも可愛いおんなのこが沢山で、夏紀先輩と優子ちゃんや、あすか先輩も、みんな真面目で優しくて一生懸命で不器用で最高でした。めっちゃくちゃ可愛いのに、可愛いだけじゃなくて強いのがいい。映画もたのしみでした。

 そして、たのしかった!!

 みぞれと希美が音楽室へ向かう場面から、ずっとふたりの関係は友だちというには不自然で、その演出がとても綺麗で上手いなあああ、て思って観ていました。
 そう、演出がとても良かったです。変に凝っていて疲れるでもないちょうどいい案配で特別に美しい絵画のような表現が挿しこまれたりして、その瞬間、少女たちの美しい一瞬を強く意識させられるのがとても愉しかった。

 みぞれと希美の関係が「リズと青い鳥」という小説に重ね合わせて表現されるので、リズと青い鳥の物語部分もアニメ化されます。
 それがめっちゃくちゃ可愛いのです!!
 絵柄がすこし変わって手書きふうの風合いが強くなり、色味も柔らかく、声優さんの表現も物語を音読するような棒読みで、作風が全然違います。アニメーション映画を2本観てるみたいでした。可愛さのトーンは似通っているのでしっくり馴染んでいるのだけれど、本編も物語も、どっちも可愛くって!!ああ、動物に囲まれたリズとてもかわいいわ、リズ好きよリズ。

 物語は、みぞれが希む共依存の関係を希美が拒む、という展開で、とても良いお話しだったと思います。
 関係を始めたのは希美でした。みぞれはきっと始めて「人」に会ったくらいの衝撃で希美の存在を受け入れて、ひよこのように希美について回るけれど、そういう子を側に置いて優越感を欲しがっていたのは希美でした。
 希美は、青い鳥に自分を重ねて「青い鳥が出て行ったとしても、また帰ってくれば良いと思わない?」と呑気に言うけれど、その言葉が、最後には自分に返ってくるという構図がとても良いと思いました。
 帰ってくれば良い、と言っても帰ってきてくれるかはどうか解らない。それはずっとみぞれが向き合ってきた不安で、希美が見ない振りをしていた不安でした。
 だから、みぞれの手を離して、ふたりの関係は取りあえず保留。新しい関係性を探せるかもしれないし、卒業したら会わないかもしれない。という提案を希美から起こしたことが、とても前向きで誠実で、良いふたりだなあと思いました。
 みぞれが今後、希美が離してくれた手で他の沢山のものを持ってみて、その上でまた希美の手を握ることがあればうれしいなあ。あとはみぞれ次第。
 響け!ユーフォニアムらしい、強さと健全さがある終わりだったと思います。あとりりこちゃん可愛いのりりこちゃん!ほんと良い子で!
 
 あんまり可愛くて愉しかったので、Blu-ray買ってしまった。可愛いわリズ、可愛いわ。
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 みぞれの、じぶん独りしかいない星で初めて他の人に会ったくらいの衝撃で希美に接するあの感じ、痛々しいけれど覚えがあって、見ていてちょっと、うわぁ…てなりました。初めて、ほんとうに初めてあの人が欲しいと思った記憶は、美しくはないけれど、初恋なのだと思うのです。