harunoame

きんきと映画とアニメと本の話

西洋の民族衣装(松濤美術館 アンティークレース展)

もう随分と前のことになってしまうのですけれど、アップリンク渋谷に「ガザの美容室」を観にいった日に、松濤美術館に寄ってみました。

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高貴な方々の愛用したレースのヴェールやドレス、ボウタイが、それはそれは緻密で繊細で、とても素敵だった…。つややかな漆黒のヴェールがあって、白い肌に淡い髪色の乙女がかけたなら、それはもううっとりするほど美しかったに違いないと思いました。

私はアンティーク・レースといって王侯貴族の豪奢な装飾という印象がつよくて、まあその通りなのですけれど、今回見た展示では、レースとキリスト教の関連をとても大切に扱っていました。勉強になったと同時に、レースへの印象がすこし変わりました。

レースの制作は修道院のシスターによるもので、真っ白なレースを美しく編むことは神の国へ逝く修行のような、祈りのような側面があったそうです。それが高値で取引されていたということなのだそう。

その後、レースは一般家庭の手仕事として広まり、生まれてくる子のおくるみを、子を慈しむようにひと鍵ずつ編んでいく習慣があったとの記述もありました。

祈りを込めて装いを整える。華やかな貴族の装飾という一面だけではなくて、信仰や生活に根付いた、民族衣装に近い性質をもったものだということを、強く感じました。

世界中で近代化を推し進めた西洋のことは、なんとなくあの文化が「スタンダード」みたいに思ってしまって忘れてしまいがちなのだけど、西洋の民族性、西洋の民族衣装のようなものが在るというあたりまえのようなことを感じた展示でした。

時間が許せば、もうすこしゆっくりみたかった。