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ネイチャー&サイエンス『世界のお墓』

ほんの少し、世界の多様性にふれる。世界中に、計り知れない程たくさんの人々がいて、思いも寄らない死生観をもって生きている。というあたりまえのことを知るためにも、こういう本はいっぱい読みたい。

キリスト教の土葬文化は、墓が足りなくなると骨を掘り返して礼拝堂の装飾に使うことがあるそうで、骨を装飾的に配置するって発想は火葬に慣れた私からみるとちょっと「えええ…」となる部分がある。けれどそれも追悼のかたちなのであって、ひとつの文化であって、面白いと思った。

同時に、“個”が亡くなって弔われ、月日が流れて“個”を失う時間は、どこの文化にも共通してあるのかも知れないと思った。日本では故人を覚えている人が居なくなった頃、全ての故人は“先祖霊”として個を失う。礼拝堂の装飾に使われる骸骨も、墓が風化して個を失ったもの。カナダのハイダ族も、彫刻を施した棺(ポール)を立て、木が朽ちて無くなると、故人も自然に還ったと見なされるという。

“個”を失うのにかかる期間は文化によって違うけれど、昔から続く葬送は“個”を自然に還す儀式なのかも知れない。

私も死んだら上手に自然に還りたい。鳥葬や樹木葬がいい。

世界のお墓

世界のお墓