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情報学と映画とアニメと本の話

図書館の定義

図書館とは

記録された知識・情報を収集・整理・保管して、利用に供する施設
『図書館用語集』四訂版(日本図書館協会用語委員会編, 日本図書館協会, 2013)

図書館は①資料(情報)②施設(システム)③職員と④利用者の四要素から成り立つ。“利用者”の範囲が一般市民である点が、現在の民主主義社会の図書館の特徴になる。情報は権威であり権力の象徴でもある。過去を見れば図書館は支配者層が管理してきた。今は民主主義社会の理念に基づき一般市民にも開放されるべきという価値観で運営されているけれど、社会システムに変化があれば確保され続ける保証は無い。

インターネットがインフラとして定着した現在は、管理しきれない膨大な情報の渦のなかで、理念より先に情報の価値が変化している。SNSの個人的なある文章が有用なものとして多くの人に読まれたりする。不正コピーによって有料であるはずの資料が多くの人の目に触れることもある。情報そのものの価値が無くなったのではなく、図書館で扱われていた“資料”のような定型的な価値を取らない情報が多くあり、従来の価値基準にも揺らぎが生じている。

玉石混淆のネット空間から有用な資料へのアクセスを簡便にするシステム構築の試みもある。例えばそれが成立したとき、著作者への利益の還元はどうなるのか、全ての情報が広く無料で公開されるべきという図書館の理念が保たれるのか、それは図書館なのか、とか、そういうことを考える。