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きんきと映画とアニメと本の話

9月 みたもの読んだもの

ペンギン・ハイウェイ Blu-ray スタンダードエディション

ペンギン・ハイウェイ Blu-ray スタンダードエディション

  • 出版社/メーカー: 東宝
  • 発売日: 2019/01/30
  • メディア: Blu-ray
ザ・万遊記 (集英社文庫)

ザ・万遊記 (集英社文庫)

  • 作者: 万城目学
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2012/05/18
  • メディア: 文庫
  • 購入: 1人 クリック: 20回
山猫珈琲 上巻

山猫珈琲 上巻

  • 作者: 湊かなえ
  • 出版社/メーカー: 双葉社
  • 発売日: 2016/12/21
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
Ex Libris

Ex Libris

  • メディア: DVD
舟を浮かべて (enigmaコミックス)

舟を浮かべて (enigmaコミックス)

  • 作者: 阿弥陀しずく
  • 出版社/メーカー: オークラ出版
  • 発売日: 2017/02/28
  • メディア: Kindle版
  •  
こんなはずでは (onBLUE comics)

こんなはずでは (onBLUE comics)

  • 作者: 阿弥陀しずく
  • 出版社/メーカー: 祥伝社
  • 発売日: 2015/11/24
  • メディア: Kindle版
  •  
ちいさくともる (マーブルコミックス)

ちいさくともる (マーブルコミックス)

  • 作者: 阿弥陀しずく
  • 出版社/メーカー: ソフトライン 東京漫画社
  • 発売日: 2014/07/20
  • メディア: Kindle版
  •  
日曜日にパウンドケーキ (onBLUE comics)

日曜日にパウンドケーキ (onBLUE comics)

  • 作者: 阿弥陀しずく
  • 出版社/メーカー: 祥伝社
  • 発売日: 2017/09/14
  • メディア: Kindle版

 

画のきもの、じっさいの着物

弥生美術館の、アンティーク着物万華鏡 展にいってきました。

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日曜日だったからなのか人気の展示なのか、はじめて見るくらいの盛況でした。展示の内容がお着物なので、素敵な和服姿のおねえさまがたが沢山いらしって愉しかったです。退館の間際には、着付け教室の授業の一環なのかしらと思うくらいの、大勢のお着物とすれ違いました。
そのなかの小柄でかわいらしいお嬢さんが、落ち着いた色の幾何学柄に、ぱきっとした色の帯を合わせていました。白い肌と小さな丸い頭にしっくり馴染んでいて、とても可愛かった。ありがとうございました。

展示は、高畠華宵などが大正・昭和に少女誌や女性誌に描いた着物のイラストを元にして、当時のお洒落を再現するというものでした。

綺麗な着物が沢山並んでいるので、それだけで愉しかったのですが、画の魅力とじっさいの魅力は違うのだわ…、としみじみ考えてしまいました。

画は、わりあい白黒も多くて、背景や風の揺らぎや白の余白に趣がありました。カラーでも、紗がかかったようにほんわりした色合いで綺麗でした。
それをそのまま期待してじっさいを見てしまうので、柄はおなじでも飾られた着物は、画と、どうしても雰囲気が違うような気がしてしまうのです。

それに、画を忠実に再現すると現実にはすこしだけけばけばしいものになってしまうのかもしれません。画のなかでは背景や周りの色にしっくり馴染んで余り派手にも見えないものを、着物だけをぬきだして展示してみるから、思うよりつよい印象になってしまうのじゃないかしら。これじゃない…画ではもっと上品だもの…などと思ってしまう。 

「ああ、もっともっと淡い、紫と言うより藤のような色合いなのではないかしら…」とか「イラストの柄の淵に黒の線が入っていて、それが締まった印象にしているのだと思うのに、柄の境目が暈かされているから、じっさいは色が散漫にちらばって弛んだ印象になってしまう…」とか、ひとつずつ、無い理想を思い浮かべては余計な駄目だしをしていました。

竹久夢二の画を模した着物は、柄の境目が暈かされていたってそれはそれでとても可愛いのです。アンケートの「どの作品が好きでしたか?」の質問にも記載したくらい好きでした。けれど、どうしても画とおなじ着物と思えない。おなじじゃないと思えばどちらも素敵なのになあ。

じっさいのものとして見ると、呉服問屋の娘の愛したという、鈍い柔らかな芥子色に臙脂の菊があしらわれたあの着物がいちばん素敵に見えた。画と比べずに済んだのと、色が落ち着いていて上品で、私の好みに合っていたのと両方です。

それでも、ああ、こんなふうに着ていたんだなあ、とそういう着物を纏った大正の乙女に思いを馳せるのはとても愉しくて、あ、いま、少女小説読みたいわ…と思いながら帰りました。とても、好きな展示でした。

30歳を過ぎて、おんなのこらしいことにうつつをぬかすのが愉しい

 社会的な「おんなのこ」の歳を過ぎてから、おんなのこするのがめっちゃくちゃたのしいと思うようになりました。

きちんとお化粧をするようになったのは、ここ数年のことです。
これまでもそれなりに塗ったり描いたりしていたのですが、朝出掛けに塗って、お昼になればなくなるくらいのうすーいものでした。

学生の頃などは、かたくなに化粧をしようとしなかった。お口のうぶ毛さえ剃ろうと思いませんでした。
私の自意識が「おまえが、可愛くなろうとして、どうしたの!?どうなるっていうの!?おまえが!??」と猛烈に反撥していたのが主な要因です。自信が無かったとも言えますが、他の子と同じようにお洒落になろうと頑張ってみることが恥ずかしかったのだとも思う。子供の頃からキラキラもひらひらも大好きなのにねえ。

今になって思えば若かったなあとも思いますが、今の私が学生に戻ったところでやっぱりお洒落やお化粧に抵抗を感じて遠ざけるのではないかしらと思います。

それが今は、顔にいろんな色を塗ったり描いたりするのがこんなに愉しくって何だろうなあ。
今になってたのしめるのには大きな免罪符があって、この歳になるとそれなりに身なりを整える術を持っていること、もっと言えば、きちんとお化粧をして、小綺麗な格好をすることが、大人のたしなみみたいな、はんぶんマナーみたいなものになってきたような実感があります。ある程度ていねいにお顔を作っても「もういい歳なんだからこのくらいは」などと思える。たのしい。

ファッション誌やメイク雑誌を見て「わーこのおんなのこ、かわいー。写真かわいー♡」と思ったり「4色のアイカラーパレットはぜんぶの色を使わなくちゃいけないわけではないのか…そりゃそうか…」と思ったりするのもたのしい。*1

ある程度「自分のスタイルみたいなものが確立されている感じ」が受け入れられやすいと感じるのも大人になってからで、あんまり奇抜すぎない範囲を捉えておけば、わりかし好きな格好をしても大丈夫なんだなーと思えるようになりました。
大丈夫、の基準がたいへん個人的で恣意的なので、そう思えるようになったのは私の精神面の変化なのかもしれません。

いつか読んだエッセイに、おばちゃんになるとものすごくたのしい という内容のことが書いてありました。というか、私が読んだ数少ないエッセイの中でも、文筆家の御姉様方は大概そう言ってる気がします。おばちゃんになるのはたのしいって。
お化粧が愉しくなってきたのも、その一環なのかなあと思ったりします。変な殻が必要なくなってきた感じがしています。

ものすごく力強い髪質なので椿油が覿面!とか、どんな素敵な化粧水を試しても無印に戻ってきてしまうとか、それでもお洒落とお化粧にそこまでお金はかけられない。プチプラでいいものをさがすんだ!とか。

そんなことが愉しい。
そういえば、お花とレースに囲まれたようなお店に、お花みたいなケーキを食べにいくのも、ぜんぜん抵抗なくなりました。「やーんかーわーいーいー写真撮っていーいー?♡」みたいな。だんぜん愉しい。ぜったいスカート履いていくわ。

学生の頃のじぶんが見たら、厭なきもちを無表情でやり過ごす、じぶんにはお馴染みのあの顔を(…)するんじゃないかと思うのですが、まあ、大人になったら愉しいから、大丈夫。

追記:周囲から浮くか浮かないか、ぎりぎり大丈夫。みたいな感覚を経験則で身につけて、じぶんを制御しやすくなった面もあるのかもしれない。とあとから思った。

*1:ここ数年何誌か継続して見て、私はナチュリラとかリンネルとか、ナチュラル指向の外見が好きなのではないかと思うようになりました。dマガジンに、登録されていないのですよねぇ…ねぇ…

8/1-観たもの 読んだもの

 明治・大正・昭和 (同時代ライブラリー (258))

明治・大正・昭和 (同時代ライブラリー (258))

「我国の近代の特色は時の推移の早さにあります。しかしその変化の早さが、かえってその社会への浸透をさまたげ、古い事物、古い問題が、変わりはてた外観のもとにそのままのこっている現象もよく見られます。」p.185-186

英国ゴシック小説の系譜

英国ゴシック小説の系譜

山猫や獅子が去り、ジャッカルや羊にとって変わる

『山猫』(原題:IL GATTOPARDO 1963年 イタリア・フランス)
監督:ルキーノ・ヴィスコンティ

NHKのプレミアムシネマで放送したのを観ました。

冷静な保守主義と伝統による洗練とが、主演のサリーナ公爵ひとりに美しく結晶化していて、彼を見詰めるのがひたすらたのしかった。ランカスターの立ち居振る舞いともの悲しい眼差しが、すーごく色っぽかった。

映画はちょっと長かったので少しずつ観ていたのですが、終わりの舞踏会のシーンは目が離せませんでした。ただ建物や調度品や衣裳が美しいだけじゃなくって、着飾った人たちのなかにも洗練された振る舞いをみせる「貴族」と、我がもの顔ではしゃぐ「貴族でなくなってきた」或いは「貴族になろうとしている」姿との対比があって、もうそれは、ちょっとえげつなかったです。

同時に、解っていても過去からは動けず、内側からくずれていく伝統の弱々しさと、新興勢力の野卑な力強さとの対比がえげつない、という意味でもあって、それはファブリッツィオも泣いてしまうわ…哀しいわ…。

さいご、ファブリッツィオの過去へ跪く敬虔な姿と、カロージェロが「これでシチリアは変わる」と吐き捨てるように言うふたりの対比で終わるのも、サリーナ公爵の美しさが際立っていて、ああ、好き…てなりました。(表現の仕方の話ではあって、新時代へ活力が否定されるものでは無いのだけれど)

あーバート・ランカスター、めっちゃ色っぽかった。この人の出演した映画、もっと観たいわ。

ネットの端から感謝をおくります

訃報に接し、謹んでご冥福をお祈りします。

ジャニーさんは、私に新しい価値観を与えてくれました。好きな人たちの土台を創り、私に「すきなもの」を教えてくれた人だと思っています。

私は KinKi Kids が好きです。それはジャニーさんの手を離れ、KinKi Kids ふたりが作り上げたふたりの在り方に心を引かれているのだと思う。それでも土台にあったジャニーさんの影響は、無いことにはなりません。ふたりを引き合わせた瞬間、ジャニーさんは私のすきなものを創ったのだと思っています。感謝してもしきれない。

舞台演出に関しては KinKi Kids も光一さんの SHOCK とも別に、ジャニーさんの世界に興味がありました。

ジャニーさんの舞台には、「少年がとても好き!」で「少年がこんなことをしたら可愛い!」「少年がこんなふうに悩んでいたら可愛い!!」「少年がこんなふうに成長したら素敵だ!!!」という思いが詰まっていて、それを感じ取りながら舞台を観るのが好きでした。美しい子供たちのよき成長を寿ぐような、つらいことがあっても真っ直ぐに伸びる生命力を喜ぶようなところがあったと思う。今思うと、事務所のタレントに注ぐ愛情そのもののようだなって思います。

私は私で選り好みがつよいから、細かい部分でジャニーさんとは惹かれるポイントが違ったりして、寸分違わず好み!というわけでもありませんでしたが、ジャニーさんはもっとずっと大きな世界観で、確実に私の好みを内包していて、だから、やっぱりすごい人でした。

事務所の文書を読んで、

(ジャニーさんが)世の中がいつまでもエンターテイメントを楽しむことができる平和で希望に満ちた未来であり続けることを心から願っておりました。

という文面にジャニーさんのぶれない意志と、それがきんききっずにちゃんと受け継がれていることを感じました。とても好きな一文です。

ジャニーさんの舞台に繰り返し出てくる戦争と平和への思いを、私は舞台の完成度を濁す要素のように思っていました。もっと言えばジャニーさんの「世代」が抱えた強すぎる思いの発露のようで、どう受け止めたら良いか解らないから作品を楽しめなくなる。戸惑うというか、では、私は何をすれば…という焦燥に駆られる。私は、戦争を経験した世代の人の平和を希求する声を、どう受け止めたら良いのかずっと解らないままで今まで来てしまったことを恥じています。

けれどある時、私の好きな世界をこんなにもかたちにして、キラッキラの人を楽しませる舞台が大好きで、エンターテイメントに人生を捧げた大きな大きな人間が、それでも戦争は避けなければならない、平和は安穏と享受するものではなく平和であり続ける意志で以て保たねばならない、と作品の中で主張するなら、ほんとうに切実に、そう言わずにはおられないほど、そう思うのだと思いました。

その時はじめて、それなら平和を求める強いきもちを、その言葉どおりに「この人は、心底そう思うんだわ…」と受け止めれば良いのではないかと思いました。私に何かを託しているのではなくて、ただ心からそう言っているのだと、それだけを思えば、すんなり胸に落ちるような気がしました。

とても有り難いことだったと思います。

ジャニーさんは、ぜんぜん表に出てこないのに事務所の子たちがすごくたのしそうに話すから、ファンのほうでも、とても親しみをもっていたと思う。それだけ慕われていた、素敵な社長さんだったのと思います。知らないけども。

ジャニーさんの没後、私の好きなふたりにジャニーさんの存在がどんなふうに響いていくのか、事務所がどうなっていくのか、私はとても興味があります。そういう要素も余すことなく楽しみに、ふたりと事務所を応援したいと思っています。

2019.7 観たもの、読んだもの

映画『48時間』(ウォルター・ヒル監督 / 1982年 アメリカ)
めっちゃふぁっきんふぁっきん言ってた。

48時間 [Blu-ray]

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TVアニメ『どろろ』
http://dororo-anime.com/ 

映画『アバウト・レイ 16歳の決断』(ゲイビー・デラル / 2015年 アメリカ)
あーうーん、だらしないお母さんが何となく許してもらう話…?

アバウト・レイ 16歳の決断 [Blu-ray]

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本『批評理論入門:『フランケンシュタイン』解剖講義』廣野由美子著(中公新書,2005.3,)

批評理論入門―『フランケンシュタイン』解剖講義 (中公新書)

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